硝子体注射とは

硝子体注射イメージ

硝子体内に注射するもので、白目の部分に注射針を穿刺し、薬剤を注入します。主に加齢黄斑変性症と糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫の患者さんに用いられます。

滲出型の加齢黄斑変性症の場合、脈絡膜から網膜に向かって新生血管(血管のこぶ)が発生します。新生血管は脆くて、破れやすいという特徴があります。これが網膜下で破れて出血したり、血液の成分が漏れ出したりすると、視力に重要な役割を果たす黄斑部が障害されて視力が低下します。

硝子体注射は、この新生血管の発生抑制、あるいは退縮させるための治療法であり、抗VEGF療法と呼ばれています。VEGFとは血管内皮増殖因子のことで、新生血管を促進させる作用があるたんぱく質です。この作用を阻害する薬剤が抗VEGF製剤で、これを硝子体内に注射するものです。

点眼麻酔をしてから眼表面の消毒を行い、注射という流れになります。注射時に痛みを感じることはほとんどありません。注射なので施術時間は1分ほどです。薬剤の効果持続期間は2ヵ月程度です。再発時に注射を打つことになりますが、再発する間隔には個人差がありますので定期的に経過観察をしていきます。抗VEGF薬は保険適用されていますが、1回の注射で約4万8千円(3割負担の場合)と高額です。